「Altairテクノロジーによって、洗濯機の継続的な性能向上と市場シェアの拡大を達成できています」
Víctor Gonzalez,
Director of Product Engineering, Mabe
「Altairテクノロジーは、広く深く応用できる点が大きな魅力です。コンサルティングエンジニアの専門知識も非常に助かります。この12年間、越えられない壁に直面したり、製品で致命的な欠陥が生じたりしたことは一度もありません。シミュレーション機能の拡張が必要になったときには、いつでもAltairのスタッフが力になってくれます」
Martin Ortega, PhD,
Senior Engineer, Mabe
目覚ましい成果
Mabe社がAltair MotionSolveを導入したのは、荷重や、モーターのトルクおよび出力とは無関係に、洗濯槽を理想の速度で回転させるシミュレーションを実行するためです。目標は、洗濯槽の揺れや振動を引き起こし、洗濯機の位置ずれの原因となるバランス不良を検証することでした。バランスが崩れるのは、水を吸って重くなった洗濯物が洗濯槽の片側に寄るためです。
洗濯機には通常、そうした洗濯物の偏りを補正するためのバランスリングが必要ですが、質量と取り付け位置によってバランスリングの動的特性は変化します。Mabe社は最高の性能を実現するために、バランスリングの寸法、質量、位置を様々に組み合わせたパラメトリックスタディを利用してシミュレーションを実行しました。
最後にMabe社は、サスペンションシステムのスプリングに関連したモーションダイナミクスのモデル化に取り掛かりました。洗濯機のサスペンションは車のサスペンションに似た部品で、すすぎや脱水のサイクルを通じて増減する洗濯物の荷重を補正する役割があります。
洗濯槽では正確に所定のRPMで回転するようにモーターのトルクを瞬時に変化させることが必要となります。そのニーズに応えるのが、Altair Activateのような最新のシステムシミュレーションテクノロジーです。モーターのトルクは通常、特定の回転速度を維持するためにわずかに増減しますが、洗濯サイクルの場合は、すすぎや脱水などに移行するのに合わせて動的に変化させなければなりません。事実、洗濯機のモーターの回転速度は、1回の洗濯の中で何度も上下させる必要があります。
Altair Activateを用いた連成シミュレーションアプローチでは、詳細なモーター制御とモーションダイナミクスを連動させることで、モーターと洗濯機の理想的な相互作用ではなく、より現実に近いシミュレーションを実行できます。
将来を見据えて
Altairテクノロジーの使用を拡大する流れの中で、Martin氏をはじめとするMabe社のエンジニアは、洗濯サイクル中のオーバーヒートのリスクを最小限に抑えたり、低周波電磁界の理解を深めたりすることを目指して、Altair Flux™を用いた詳細なモーター熱解析にも着手しました。今後は、モノのインターネット(IoT)に関連した開発プロジェクトも順次行っていく予定です。2017年に中南米で市場シェアトップを獲得することに成功したMabe社は、現在、国際市場でのシェア拡大を狙っています。