Altairシミュレーションを活用した日立建機トラックのトラック開発
ダンプトラックは、タイヤの負荷容量と走行する道路によって制約を受けるため、より軽く頑丈であれば運搬効率が高くなります。新しいトラックを設計する際には、軽量、低コスト、長い疲労寿命など、短い開発期間で多くの設計基準を満たす必要があり、高効率な設計・解析ツールが必要です。
新しいトラックを設計する際には、トラックダイナミクス、制御システム、熱、および疲労解析のすべてを行う必要があります。Altairのライセンスモデルによって、日立建機トラックはこれらのシミュレーションが可能な多くのソフトウェアアプリケーションを使用できます。
ソリューション
日立建機トラックは、製品の品質を維持しつつ、メインフレームおよびリジッドボディの10%の軽量化を実現しました。
新規設計の場合、最初に決定するのはトラックの荷重条件です。トラックの応力分布の測定は、時間とコストがかかる上に、道路状況、勾配、路面、旋回半径などが変化するため、困難です。日立建機トラックでは、Altair MotionSolveとAltair Activateを用いて、トラクションとブレーキを制御した状態でのトラックの動的応答を求めています。このモデルでは、各タイムステップにおけるトラックモデルの各状態を収集し、Altair MotionSolveとAltair Activateの間で連続的に交換します。Altair MotionSolveのシミュレーション結果から、リジッドフレーム、フロントアクスル、リアアクスルなどの主要なコンポーネントにかかる典型的な荷重を計算することができます。
トラックのリジッドフレーム、ダンプボディ、フロントアクスルおよびリアアクスルの解析には、線形および準静解析を使用しています。Altair Radiossは、ドライバーキャビンの転倒時保護構造(ROPS)解析にも使用されています。
Altair OptiStructのトポロジー最適化機能を使用することで、バンパーフレームエクステンションやトラック電動トロリーなどの部品形状を最適化することができます。
結果
日立建機トラックでは、さまざまな技術的な問題を効率的に解決できるAltairのシミュレーションツールをエンジニアリング業務の重要なソフトウェアパッケージと考えています。ライセンスに含まれるさまざまなAltairソフトウェアにより、1つのプラットフォーム上でさまざまなシミュレーションを行い、さらに、Altairパートナーアライアンスのツールで疲労解析や耐久性解析を行うことで、非常に短い製品開発期間でトラックの軽量化と燃費向上を達成し、より多くの積載量を可能にする強くて軽いダンプトラックを実現しました。日立建機トラックがAltair製品を安心して使い続けられる主な理由の1つにはAltairの強力なサポートも含まれています。
詳細については、www.altairjp.co.jp/agriculture-construction/をご覧ください。